VITTORIA CORSA PROのタイヤが強い(試乗したデュラエースのホイールWH-R9270-C36-TLについてた)

シマノのホイール試乗会があったので、DURA-ACE C36(WH-R9270-C36-TL)に乗ってみた。

が、タイトルの通りデュラエースのホイールに乗ったことよりも、ホイールについていたタイヤのほうが印象が強烈でした。

というか今、使っている常用のホイールがC50のデュラエースなのです。新しい今の自転車(RP9アルテグラ)についていたのはアルミのホイールだったので、思い切ってカーボンのホイールに交換したのですが、これがまた良いホイールで平坦も上りもカバーして貧脚にはもったないくらいです。

正直、迷ったらこれを買っておけば間違いがないんじゃないか、と思っています。購入したのは自転車が届く前で、色々とシマノの製品が値上がりする前にかなり安く購入できたので、今の価格だと他のメーカーの製品も選択肢にはあがってくるかもしれませんが。

C36の印象

C36に変えてみてどれくらい印象が変わるのかという気持ちで試乗しました。

試乗したのが峠ということもあったのか強く変わったという印象はありませんでした。貧脚の30分程度の試乗だったので、それほど何か変わったという感じはありません。

いえ、たしかにC36は軽量なのですが、普段からC50を利用している者からするそれだけでは判断がつきにくいからですね。

平坦や峠など色々なシチュエーションで乗ってみればいいかもしれませんが、試乗だとそこまではできませんからね。

試乗会があったのは愛知県の瀬戸市の道の駅、近くに有名な雨沢峠(よく行く峠)があります。そこでホイールを交換して、雨沢峠を登りました。

印象がないといってしまいましたが、かなりいいホイールです。C50と同じグレードで、C36は比べて100g以上軽いので、ストップ&ゴーや坂道では素人にも単純に違いを感じることができます。

しかし、正直、峠でそんなに記録は伸びません。

試乗会の前の週に乗ったC50のタイムとは8秒程度しか速くなっていません・・・。ちなみに、4wほど強めに走ってそのタイムでした。軽量ホイールで数秒は速くなったといえます。

まあ100g軽くなったとはいえ、乗っている人の能力は変わりませんから、これは仕方ありません。

C50から買い換えようか、と考えると難しいところです。逆に考えれば、C50はハズレなシチュエーションがない、坂も平坦も美味しいホイールといえます。C36のような軽量ホイールは、これを使えばとにかく速くなるんだ、という気持ちに価値を見出すべきかもしれません。

C60には試乗していませんが、C50を利用していなくてもおそらく、C50を選択すると思います。

どちらが良いか悩んでいる人はシマノのプレミアムホイールショップでデュラエース(R9200)を購入するといいです。

購入して50日以内なら、工賃の負担のみでホイールの仕様変更が可能です。

bike.shimano.com

これを利用して、本命以外のホイールを先にチョイスして、50日間堪能してから本命をゲット、という悪辣なことも・・・。

VITTORIA CORSA PRO

ホイールや記録自体については、C50からC36へ交換して特に強い変化を抱かなかったのですが、はめていたタイヤが今年2023年5月にリリースされたCORSA PROのタイヤがついていました。

チューブレスレディのモデルで、28Cのサイズ。試乗したホイールはフックレスではないが、フックレスリム(にも)対応らしい。

これが今まで乗ったことのないタイプのタイヤです。

重量的には漕ぎ出しはそんなに軽い印象はなかったのですが、走り出して速度を上げると個性が現れてきます。

ロードバイクのタイヤというのは重量が軽く、タイヤの接地面も薄く、それなりに硬いので、路面の凹凸を拾う感じがあるのですが、それがない。

路面にタイヤが吸い付いているように振動がない。

なんだこれは。

速度が上がった訳ではないのに、走っている路面が今までと違う。整備されたばかりのアスファルトを走っているような軽快感を感じます。

雨沢峠を登り終えて、Uターンして下りに入ると加速感も違う。

これは個人的な感想ということではなく、ペダルを踏んでいないのにStravaの下りのコースで実際の自己記録を更新することになりました。

試乗とその先週の下りの差

前述した通り、上りの記録自体はそんなに変わったわけではありませんでしたが、久々の未知な走行体験でした。

チューブレスレディのタイヤのはめやすさについて

今のタイヤもかなり良いやつなのですが、CORSA PROの乗り心地は今までにないものです。正直、次回のタイヤ交換の第一候補になってしまいました。

La routeで有料記事ですがCORSA PROのレビューがあります。

laroute.jp

「魔法の絨毯」と形容されていますが、正しくその通りでした。タイヤのはめやすさは、

数人がかりで四苦八苦してみたが、結局、まずインナーチューブを入れてビードを強制的に上げる→ビードの片方のみを落としてチューブを取り出す→再びリムにビードをはめてシーラントを入れてエアを充填する、という手法でなんとか装着した。予め片方のビードを上げておくと、それに引っ張られてもう片方のビードも上がりやすくなるのである。相変わらずチューブレスの扱いは厄介だ。

ということでチューブレスレディは、はめるのはかなり大変です。ああ、チューブレスはこれがあるんだよね。

Cycle Sportsのインプレッションだとフックレスのホイールで、フロアポンプでビードが簡単に上がるそうです。動画の2分20秒あたりで説明されています。

www.youtube.com

ホイールのモデルはZIPP 303 Firecrestみたいです。La routeは、シマノのWH-R8170-C36(アルテグラ)で試乗していました。はめやすさの相性があるのかもしれません。アルテグラのホイールはおそらくデュラエースのホイールと形状がほぼ同一でしょうからはめにくさは同じでしょうね。

今利用しているデュラエースのホイールではないのですが、自分でチューブレスをはめようとしたことがあります。

シュワルベのタイヤブースター チューブレス インフレーター(ビードが一気に上がるように空気を入れるやつ)を購入してはめようとしましたが、ビードが上がりませんでした。

シーラント剤を事前に入れたりして、色々と工夫をしてみたのですが結局、ちゃんとはめることができなかったので泣く泣くクリンチャーにして、購入したチューブレスタイヤを知り合いにゆずりました。La routeの説明にあった、チューブを入れるというアイデアはありませんでしたが、そのテクニックを使っていればビードを上げることができたかもしれません・・・。

チューブレスレディはクリンチャーよりホイールの相性によって、明らかにはめやすいものとはめにくいものがあるようなのですが、こういう経験があってチューブレスタイヤを予備で持っていっても、対応することができないだろう、ということでクリンチャーを今でも愛用しています。

一時期、チューブレスを自転車屋ではめてもらい、パンクしたら自分でクリンチャーに変えて、また自転車屋でチューブレスをはめてもらうということをしていましたが、パンク時に外すのもかなり大変なので、結局クリンチャー一択になっています。

個人的には、このホイールだとどのタイヤがはめやすいのか、とか誰かレビューをしてくれると、安心してチューブレスに切り替えられると思うのです・・・。

asp.net WebAPI + Svelteで開発

Visual StudioでWebAPIを作成してついでにSvelteと一緒にデバッグしようと思ったのだけれど、色々試行錯誤したときのメモ。
Visual Studioのテンプレートでsvelteを使えるのがあったのだけれど、うまく動かなかったので自分でいろいろと頑張った。
ちなみに、Svelte自体のデバッグが、Visual Studioのエディタからできるわけではないです。
あくまでWebAPIとSvelteで作ったSPAが連携してうまく動いているのを確認できる程度です。

実行環境

LinuxMacでは試していませんが、.netのプロジェクトフォルダのサブフォルダにnpmのプロジェクトを作成するだけなので、多分同じように動くと思います。

WebAPIのプロジェクトを作成

dotnet new webapi -au None -f net6.0 -lang "C#" -n WebAPIProject

プロジェクトのディレクトリに移動

cd WebAPIProject

SPA(svelte)のプロジェクトを、WebAPIのディレクトリ内に作成

svelteのクイックスタートのコマンドとほぼ一緒です。

npx degit sveltejs/template SvelteApp
cd SvelteApp
npm install

作成直後のディレクトリ構成

これまでのコマンドがエラーなく実行できたら、多分、以下のようなディレクトリ構成になっているはず。
SvelteAppディレクトリの中にさらにnpx/npmで作成したSvelteのディレクトリSvelteAppがある。

dir


    ディレクトリ: C:\mydata\svelte\WebAPIProject


Mode                 LastWriteTime         Length Name
----                 -------------         ------ ----
d-----        2022/04/12     21:08                bin
d-----        2022/04/12     21:04                Controllers
d-----        2022/04/12     21:08                obj
d-----        2022/04/12     21:04                Properties
d-----        2022/04/12     21:06                SvelteApp
-a----        2022/04/12     21:04            127 appsettings.Development.json
-a----        2022/04/12     21:04            151 appsettings.json
-a----        2022/04/12     21:04            557 Program.cs
-a----        2022/04/12     21:04            262 WeatherForecast.cs
-a----        2022/04/12     21:04            327 WebAPIProject.csproj

WebAPIのProgram.csを修正

このままだと、WebAPIをデバッグしていても、npx/npmで作成したSvelteAppプロジェクトのアプリケーションファイルが参照できない。
Program.csで、静的ファイルの参照ディレクトリ(ルートディレクトリ)をデフォルトのwwwrootから、SvelteAppのpublicディレクトリに変更する。

//var builder = WebApplication.CreateBuilder(args); // コメントアウト
// 以下のように修正
var builder = WebApplication.CreateBuilder(new WebApplicationOptions
{
    WebRootPath = "SvelteApp/public" // Svelteのpublicディレクトリを参照
});

// Add services to the container.

builder.Services.AddControllers();
// Learn more about configuring Swagger/OpenAPI at https://aka.ms/aspnetcore/swashbuckle
builder.Services.AddEndpointsApiExplorer();
builder.Services.AddSwaggerGen();

var app = builder.Build();

// Configure the HTTP request pipeline.
if (app.Environment.IsDevelopment())
{
    app.UseSwagger();
    app.UseSwaggerUI();
}

// 静的ファイルを参照可能に設定(デフォルトはwwwrootだが、上部の修正箇所でWebRootPathを指定して参照先を変更している)
app.UseStaticFiles();

app.UseHttpsRedirection();

app.UseAuthorization();

app.MapControllers();

app.Run();

npm run devをデバッグ時は実行しておく

SPA(svelte)の変更がすぐに参照されるよう、デバッグ時はVisual Studio Codeのコンソールでnpm run devを実行しておく。

cd SvelteApp
npm run dev

Visual StudioでWebAPIのプロジェクトをデバッグ

Visual Studioデバッグ実行すると、デフォルトのWeatherForecastのページがブラウザで表示される。

WebAPIプロジェクトをデバッグ

アドレスをルートディレクトリに変更すると、svelteのトップページが表示されます。

[
svelteの初期ページ

これで、svelteの修正がWebAPIのデバッグ時にリアルタイムに反映されるようになりました。コンパイルが完了したからリロードを行わないといけないのがちょっと面倒ですが。

コマンドラインで.netのプロジェクトを作成(dotnet new [テンプレート])

Visual Studio Codeから、.netのプロジェクトを作成する方法がわからなかったのでコンソールからコマンドでプロジェクトを作成しました。
ひょっとしたら、ターミナルのウインドウからコマンドを実行できたのかな?

.net 6.0をインストールしている状態です。
dotnet new [テンプレート]でプロジェクトなどが作成できるみたいですが、-lオプションでテンプレートが一覧で表示できます。

$ dotnet new -l
これらのテンプレートは、入力:  と一致しました

テンプレート名                                短い名前        言語        タグ                      
--------------------------------------------  --------------  ----------  --------------------------
ASP.NET Core Empty                            web             [C#],F#     Web/Empty                 
ASP.NET Core gRPC Service                     grpc            [C#]        Web/gRPC                  
ASP.NET Core Web API                          webapi          [C#],F#     Web/WebAPI                
ASP.NET Core Web App                          webapp,razor    [C#]        Web/MVC/Razor Pages       
ASP.NET Core Web App (Model-View-Controller)  mvc             [C#],F#     Web/MVC                   
ASP.NET Core with Angular                     angular         [C#]        Web/MVC/SPA               
ASP.NET Core with React.js                    react           [C#]        Web/MVC/SPA               
Blazor Server App                             blazorserver    [C#]        Web/Blazor                
Blazor WebAssembly App                        blazorwasm      [C#]        Web/Blazor/WebAssembly/PWA
dotnet gitignore ファイル                     gitignore                   Config                    
dotnet ローカル ツール マニフェスト ファイル  tool-manifest               Config                    
EditorConfig ファイル                         editorconfig                Config                    
global.json ファイル                          globaljson                  Config                    
MSTest Test Project                           mstest          [C#],F#,VB  Test/MSTest               
MVC ViewImports                               viewimports     [C#]        Web/ASP.NET               
MVC ViewStart                                 viewstart       [C#]        Web/ASP.NET               
NuGet Config                                  nugetconfig                 Config                    
NUnit 3 Test Item                             nunit-test      [C#],F#,VB  Test/NUnit                
NUnit 3 Test Project                          nunit           [C#],F#,VB  Test/NUnit                
Protocol Buffer File                          proto                       Web/gRPC                  
Razor Class Library                           razorclasslib   [C#]        Web/Razor/Library         
Razor Component                               razorcomponent  [C#]        Web/ASP.NET               
Razor Page                                    page            [C#]        Web/ASP.NET               
Web 構成                                      webconfig                   Config                    
Worker Service                                worker          [C#],F#     Common/Worker/Web         
xUnit Test Project                            xunit           [C#],F#,VB  Test/xUnit                
クラス ライブラリ                             classlib        [C#],F#,VB  Common/Library            
コンソール アプリ                             console         [C#],F#,VB  Common/Console            
ソリューション ファイル                       sln                         Solution

dotnet new [上記のテンプレート名]を指定して更に、対応するプロジェクトテンプレートごとのオプションが細かくあるようで、以下のページに詳しく載っています。

docs.microsoft.com
WindowsVIsual StudioGUI画面なんかを開くと、オプションとかをチェックボックスで選んでいたのですが、ウィザード機能的なものがCUIでもあればいいんですがね・・・。

捉えず、Web APIC#でやりたいので、こんな感じで入力。

dotnet new webapi \
    -au None \
    -f net6.0 \
    -lang "C#" \
    -n WebAPIProject

使用しているオプションの説明

-au 使う認証の種類(webapiで認証機能を使用しない設定)
-f フレームワークのSDKバージョン
-lang 使用するプログラミング言語(C#,F#)
-n プロジェクト名

 -langオプションで値を""で囲っているのは、#が特殊文字として判断されるのを防ぐためです。

コンソールのプロジェクトをC#作りたい場合は、こうみたい。

dotnet new console -f net6.0 -lang "C#" -n ConsoleProject

あとは作成したディレクトリを、Visual Studio Codeで開くだけです。

La routeの「S-WorksとProに乗って考える 僕らはどのエートスを買うべきか」で笑う

laroute.jp

有料記事ですが大変面白く読んでしまったので感想を。

スペシャライズドのエートスの購入を検討しているLa routeのテクニカルディレクターである藤田氏が、編集長の安井氏と一緒にS-Worksエートスエートスproを比較するという記事。

スペシャライズドのエートスというとバイシクル・オブ・ザ・イヤー2020を受賞した、その年に発売された中でも傑出したバイクである。

各メーカーから出品された山あるハイエンドモデルの中から選ばれた、UCIの重量の規定外(6.8kg以下はNG)の異色のマシンだ。流行りの空力特性を備えていない、ケーブル内装式でもない、ぱっと見エンデュランス系のミドルグレードのカーボンロードか、2世代前のロードバイクに見える代物だが、UCI規定を無視する驚異の軽さとその乗り味でバイシクル・オブ・ザ・イヤーの選考員を魅了したようである。La routeで無料公開されている記事でBOTYの採点一覧が掲載されているが、選考委員の殆どがかなりの点(得票は選考委員が持ち点を持っていてそれを入れる方式)を入れていたのである。

laroute.jp

エートス自体は踏めばガンガン進むようなものではなく乗り心地やその軽さが特に印象が強いので、平地が好きな人や実業団で走る人よりも、ヒルクライムが好きなアマチュアの人たちのほうが特に琴線をひかれるようである。La routeのテクニカルディレクターである藤田氏も富士ヒルなどのイベントに参加しているので、おそらくその類である。

まあ、ヒルクライムの記録を更新したいと思っている人にはエートスはかなりの魅力だろう。

記事の中ではかなり細かくトップグレードとミドルグレードの差について言及されていて、S-WorksグレードとProグレードのホイールを交換して、乗り味についても言及している。フレームだけProグレードを購入して、ホイールやコンポーネントを上位グレードにして組み立てるケースについても考えているようである。やはり自分が購入するとなると、投入する資金のリターン(満足度)は最大限にしたいところだ。
登りを走り比べるとたしかにS-Worksはいい、だけどそれだけじゃない。Proを買ってホイールを買い換えれば……。平地で30km出てるんだったらどっちも同じじゃないか? ProかS-Worksか?

S-Worksエイトス エイトスPro エイトスPro+ROVAL ALPINIST CLX
5.9kg 6.82kg 6.703kg
¥1,529,000 ¥913,000 ¥1,254,000

※ProにROVAL ALPINIST CLXを履き替えた場合、余ったホイールを転売することが可能だ

記事を読んでいると、買う前の悩む楽しみが隅々にあふれていてにやけてしまった。

藤田:僕にとっては、絶対的な性能より「好きなものに乗ってる」というほうが大きいですから。

有料記事のオチをネタバレするわけにはいかないが、読み終わったあとに笑ってしまった。こういう決断をしたいものである、と。

買ったあとの、走った感想をぜひ聞いてみたい。

CATEYE(キャットアイ)のライトの爪が割れた場合

以前、使っていたCATEYE(キャットアイ)のライトの爪が割れてしまって難儀したという話を書いたのですが、モデルによっては爪の部分(ブラケットスペーサー)を取り外して交換できるようです。

www.amazon.co.jp

この部品(ブラケットスペーサー)自体は、300円以下で購入できますが、取り外しには細い六角レンチ(1.5mm)が必要なので、持っていない人は一緒に手に入れましょう。

六角レンチ(1.5mm)が必要

ちなみに、今回交換した写真に写っているモデルはボルト400(HL-EL461RC)です。

www.amazon.co.jp

ブラケットスペーサー 544-5330
キャットアイ(CAT EYE) ブラケットスペーサー 544-5330
爪が割れている
細い六角レンチを差し込む
外すとこんな感じ
土台になっている部分を掴んで
外します

あとは、新しい部品を取り替えるだけ。

新しい部品へ取り替えてあとはネジを締めて完了

2019 SuperSix EVO Hi-MOD Disc Dura Ace

購入してかなり月日が経過しましたが、去年購入したSuerpSix EVO Hi-MOD Disc Dura Aceのレビューをしたいと思います。

PWR(重量出力比)が3くらいしかないヘボサイクリストなので、あんまり当てにならないことを最初に記す。

以前乗っていた自転車

S-WorksのTarmac(2014年販売モデル)のフレームにUltegraコンポーネントをつけて乗っていました。ホイールもUltegraにして、総重量が7.6kgでした。アルミロード(CAAD10)から乗り換えたときはものすごい感動しました。

S-Works Tarmac
S-Works Tarmac SLいくつなのかは忘れたけど、2014年に"New Tarmac"って宣伝されてたやつ

購入したあと、Bora Oneや、Dura-Aceのホイールに変えたりして200gほど重量が下がりましたが、ダンシングでもシッティングでもしなやかな印象で、まさにオールラウンドというロードバイクでした。

今回購入したモデル

Cannondaleのオールラウンド(外観は全然オールラウンドしてない)として完全にモデルチェンジ(チェンジというか面影が残されていない)したSuerpSix EVOの機械式Dura-Ace版です。

雨沢峠で撮った

Hi-MODの同一フレームのラインナップとしてはDura-Ace Di2、Ultegra Di2、Dura-Ace(機械式)の3種類。
購入したDura-Ace(機械式)モデルはスプロケットUltegra、クランクはHollowGramということ以外、パーツ構成はほぼDura-Aceの構成となっています。
フラグシップ製品の中では一番、グレードが低いモデルになります。
モデルチェンジしたことは店頭に飾られたHi-MODではない通常のSuerpSix EVOが行きつけのショップで展示されていて気づいたのですが、そろそろ新しい自転車を購入しようと思ってHi-MODのモデルをネットで調べてみると、恐ろしいことに、このモデルの定価は720,000円(税別)でした。
フラグシップだと一桁軽く超えるのが当たり前だと思ってましたが、こんなに安いのか、とかなり驚きです。
この価格帯でフラグシップ製品を売り出しているメーカーと言うとGiantくらいしかなく、そのタイミングでフルモデルチェンジしているオールラウンドディスクロードとなると多分Cannondaleしかなかったように思います。
そろそろ新しい自転車に買い換えようと思ったタイミングだったので、購入を決意しました。
個人的にはDura-AceよりもUltegraのほうが好き、というか価格差に見合った性能差に魅力を感じないのでUltegraでも良かったのですが、UltegraはDi2モデルしか販売されていなかったのでこっちを選択しました。
それでも機械式のDura-AceよりUltegra Di2は上位製品なので、8万円くらい高いです。
後々、考えるとDura-AceよりもUltegra Di2モデルを購入したほうが良かったかもしれない、と思っています。

最上位モデルとの違い

SuerpSix EVO Hi-MODのDura-Ace Di2とDura-Ace(機械式)の違いは以下の通り。
太字したところが、おそらく重量差があるパーツです。

メーカーサイトから抜粋、加工

パーツ項目 SuerpSix EVO Hi-MOD Disc Dura Ace Di2 SuerpSix EVO Hi-MOD Disc Dura Ace
Wheel Sensor Cannondale Wheel Sensor Cannondale Wheel Sensor 同一
Bottom Bracket Cannondale Alloy PressFit30 Cannondale Alloy PressFit30 同一
Chain Shimano Dura-Ace, 11-speed Shimano HG701, 11-speed 違う
Crank HollowGram SiSL2 w/ pre-installed power2max NG Eco Power Meter (not activated), BB30a, Vision rings, 52/36 HollowGram w/ pre-installed power2max NG Eco Power Meter (not activated), BB30a, FSA rings, 52/36 違う
Front Derailleur Shimano Dura-Ace Di2, braze-on Shimano Dura-Ace, braze-on 違う
Rear Cogs Shimano Dura-Ace, 11-30, 11-speed Shimano Ultegra, 11-30, 11-speed 違う
Rear Derailleur Shimano Dura-Ace Di2 Shimano Dura-Ace 違う
Shifters Shimano Dura-Ace hydro disc, 2x11 Shimano Dura-Ace hydro disc, 2x11 同一
Fork BallisTec Hi-MOD Carbon, SAVE, integrated crown race, 12x100mm Speed Release thru-axle, flat mount disc, internal routing, 1-1/8" to 1-1/4" steerer and 55mm offset (44-54cm), 1/8" to 1-3/8” steerer and 45mm offset (56-62cm) BallisTec Hi-MOD Carbon, SAVE, integrated crown race, 12x100mm Speed Release thru-axle, flat mount disc, internal routing, 1-1/8" to 1-1/4" steerer and 55mm offset (44-54cm), 1/8" to 1-3/8” steerer and 45mm offset (56-62cm) 同一
Frame All-New, BallisTec Hi-MOD Carbon, integrated cable routing w/ Switchplate, 142x12 Speed Release thru-axle, SAVE, PF30a, flat mount disc, integrated seat binder All-New, BallisTec Hi-MOD Carbon, integrated cable routing w/ Switchplate, 142x12 Speed Release thru-axle, SAVE, PF30a, flat mount disc, integrated seat binder 同一
Rear Hub HollowGram KNØT, 12x142 centerlock w/ DT Swiss internals HollowGram KNØT, 12x142 centerlock w/ DT Swiss internals 同一
Rims HollowGram 45 SL KNØT, Carbon, 20h front, 24h rear, 45mm deep, 21mm ID, tubeless ready HollowGram 45 KNØT, Carbon, 20h front, 24h rear, 45mm deep, 21mm ID, tubeless ready 違う
Spokes DT Swiss Aerolite Formula Grand Forza 違う
Tire Size 25 25 同一
Tires Vittoria Corsa, 700 x 25c Vittoria Rubino Pro Bright Black, 700 x 25c 違う
Wheel Size 700c 700c 同一
Brake Levers Shimano Dura-Ace hydro disc Shimano Dura-Ace hydro disc 同一
Brakes Shimano Dura Ace Di2 hydro disc, 160/140mm RT900 rotors Shimano Dura Ace hydro disc, 160/140mm RT800 rotors 違う
Grips Cannondale Grip Bar Tape w/Gel, 3.5mm Cannondale Grip Bar Tape w/Gel, 3.5mm 同一
Handlebar HollowGram SystemBar SAVE, Carbon, 8 deg. pitch adjust HollowGram SystemBar SAVE, Carbon, 8 deg. pitch adjust 同一
Saddle Prologo Dimension Nack NDR, 143mm width, carbon rails Prologo Dimension NDR, 143mm width, Tirox rails 違う
Seatpost All-New HollowGram 27 SL KNØT, carbon, 2 bolt clamp, 330mm All-New HollowGram 27 SL KNØT, carbon, 2 bolt clamp, 330mm 同一
Stem All-New HollowGram KNØT, alloy w/ cable cover, -6° All-New HollowGram KNØT, alloy w/ cable cover, -6° 同一
Weight WEIGHT: 7.3 KG / 16.1 LBS WEIGHT: 8.0 KG / 17.6 LBS 違う

最後にしれとっと重量が書いてありますが、購入時に重量を測るまでその重さに気づいていませんでした。ここが後々大きな不満になっていきます。
ちなみにUltegra Di2モデルは、メーカー公表値の重量は7.6kgです。
購入時にサイズ54で、Dura-Aceペダル付きの状態で実測したところ、ジャスト8.0kgでした。

SuerpSix EVOクランク
クランクは

クランクはパワーメーターが内蔵されています。ただし、お金を払ってアクティベーション(?)しない場合は、ケイデンスセンサーしか有効になりません。

重量の大きな違い

パーツ項目 SuerpSix EVO Hi-MOD Disc Dura Ace Di2 SuerpSix EVO Hi-MOD Disc Dura Ace
Rear Cogs Shimano Dura-Ace, 11-30, 11-speed Shimano Ultegra, 11-30, 11-speed
Rims HollowGram 45 SL KNØT, Carbon, 20h front, 24h rear, 45mm deep, 21mm ID, tubeless ready HollowGram 45 KNØT, Carbon, 20h front, 24h rear, 45mm deep, 21mm ID, tubeless ready

購入したDura-Ace(機械式)は、スプロケットUltegraであるため約100g、ホイールのリムがDura-Ace Di2モデルと違うためおそらく約200g程度違うと思われます。合計で300g。
スプロケットは完成車だとグレードを下げている場合がよくあるというのは知っていましたが、フラグシップの下位モデルでホイールのリムを変えてきていたのは気づくべきでした……。
上位モデルでそこそこ軽量化されている完成車の状態から300gの重量を減らすというのはかなりコストがかかります。
Dura-Aceスプロケットに2万円以上、ホイールに30万円以上を投資しなければなりません。
うわー、それだったら8万円プラスして、最初からUltegra Di2買っておけばよかった、とまじで後悔です。

外観

昨今のエアロロード(これはオールラウンドモデル)の流行りで当然のごとくケーブル類が内装になっていて、Di2モデルになるとハンドル周りから一切のケーブルが隠れる仕様になっています。
僕のは機械式のため変速用のケーブルが外に出ているのですが、それでもバーテープから伸びてヘッドチューブあたりで見えていたケーブルがすぐにダウンチューブ中に配線される形になっていて、ハンドル周りはかなりスッキリしています。

機械式の変速ケーブル以外はすべて内装

エアロロード(これはオールラウンドモデルなんですが)でよくあるメーカー独自のステムできれいにフレームの中に配線するような今流行のあれですよ。
シートステーも昨今のエアロロード(以下略)のように、トップチューブシートチューブが直線状に交わるような感じではなく、シートチューブの途中についてます。
そしてリムブレーキではないので、背面から覗くとシートステーの付け根部分も非常にスッキリしていて大変スタイリッシュです。

ハンドル、ステムともにメーカー純正仕様になっているので、ライトやサイコンをつけるために専用のマウンターが付属。

SuperSix EVOのマウンター
SuperSix EVOのマウンター
しかし、これはメーカーが用意しないともうハンドルまわりがカスタマイズできないということです。もうなんか完全にエアロロードのノリですよ。

流行りのシートステー。リムブレーキがないので非常にスッキリしていてかっこいい

CannondaleのSuerpSix EVOといえば、トップチューブが水平でどこかしらクラシカルな細身、軽量フレームという印象があったので、この形状でSuerpSix EVOという名前で出すのが凄い不思議です。
モデルチェンジというよりは別モデルじゃないのかと言ってやりたい。νガンダムだと思ったらサザビーだった、みたいな。

SuerpSix EVOのイメージ
SuerpSix EVOのイメージ(サイクルスポーツ2020年4月号から引用)

基本的な走行性能

ショップの人に言われたのですがディスクロードはたしかにリムブレーキ仕様のものより重量が重くなる傾向があるそうですが、乗ってみると意外と重量を感じさせずキビキビ動くということでした。
乗り出しのペダルを踏んだ感じは、流石にちょっと重い感じはしましたが、スピードがある程度乗ったあとの加速はほとんど変わらないです。
また、以前乗っていたTarmacより、SuerpSix EVOのほうが速度を維持するのは楽でした。
まあ、Tarmacに普段つけていたのがリムの浅いアルミホイールだったので、平坦で速度を維持するならSuerpSix EVOのカーボンディープリムのほうが優位ですよね。TarmacにBora Oneをつけて平地を走ったときは、たしかにアルミのDura-Aceより楽でした。
完成車としてのSuerpSix EVOの巡航する能力は間違いなく高いです。
あとフレームは、わりと硬めのようですがそんなにガツガツした感じはしません。Tarmacよりは硬いでしょうけど、長時間乗っていて疲れやすくなったということもないです。

ダンシング

某自転車雑誌のサイトにあったSuerpSix EVOのインプレでは、気にならないレベルで違和感がある、とかって書いてありましたが、これでマジで気にならないレベルで違和感ないの?と思ってしまった。
これが気にならない、というのならかなり上半身を鍛えてるんですよね?って思ってしまう。平地でダンシングするのならまだわかりますが、斜度がかなりあるような山道で、シッティングで登るのがきつくなった時にダンシングしたら、え?これ本当にオールラウンドモデルの動きなの? 俺、エアロロードで山登ってない? という感じですよ。
ハンドルを左右にふるとかなり重量感があるので、ペダルの踏みこみとハンドルをふるタイミングが合わずにかなりギクシャクとした動きになります。タイミングを合わせるためにはかなり上半身(とくに腕)のふりに力を入れる必要があるので、ヒルクライムの斜度の高いポイントで少し休むためにダンシングしようとすると、かなり面倒なことになります。
足はまだ行けるのに、上半身で力を使ったせいで心拍が上がってしまい、速度も維持できずにシッティングに戻す羽目に。
Tarmacの時は、斜度のキツめのところでダンシングしながらやり過ごす、という形で乗っていたのですが、SuerpSix EVOの場合は斜度のきついところほど、ダンシングは禁止です。

Cannondal SuerpSix EVO Hi-MOD ハンドル
ハンドルはこの位置までしか曲がらないので、Uターンは若干しづらい。ダンシングには影響しているわけではないでしょうが……

ヒルクライム

前述したとおり、ダンシングをすると体力を大きく削がれる仕様となっているのでシッティングで登っていくスタイルに落ち着きます。そして重量が8.0kgのため、今まで乗っていた7.6kgのTarmacより登る時はきつい、ということに気づいてしまいました。これはマジで大きなマイナスです。

ブレーキ

ブレーキ性能は間違いなくリムブレーキよりディスクブレーキのほうが効きは強いです。軽くレバーを握っただけでも、ホイールをロックする印象がありました。
山の下りで常にブレーキを下ハンドルで握る必要があるのはリムブレーキと変わらないですが、握力をそんなに使わない、というのはかなりの体力負荷を軽減させてくれます。
あと、リムにパッドを当ててブレーキをかけないのでカーボンホイールが直接的に痛むことはないです。TarmacにBora Oneのホイールを履いて山を下っていたときは、高いカーボンホイールを傷めないかとブレーキのかけ具合に神経をすり減らしていましたが、そんなことに気を配る必要がなくなりました。最近のホイールは、破断したり溶けたりしないよ、という話ですが、下っている最中にきぃぃぃとカーボンホイールが泣くのは精神的に怖い。

全体的な評価

今まで乗っていたTarmacと比較するとこんな感じです。

項目 Tarmac SuerpSix EVO
平坦 ★★★★☆ ★★★★★
ヒルクライム ★★★★★ ★★★☆☆
巡航 ★★★★☆ ★★★★★
ブレーキ ★★★☆☆ ★★★★★
好み ★★★★★ ★★★☆☆

リムブレーキからディスクブレーキへの乗り換えなので、比較するのは適当ではない気もしますが、前のTarmacのほうが個人的な評価は高いです。適度にしなやかなフレーム、軽やかにできるダンシング、ホイールをディープリムに履き替えればそこそこ巡航速度も上がる。ブレーキ性能や今後のことも考えるとSuerpSix EVOが良いのかなと思いますが、もう買ったらどこもいじることろが無いです。200g軽くするためにBora WTOを購入するしかない、と思うのですが、同じ値段で今年発売されるであろうTarmac SL7が購入できるのであれば、今乗っているSuerpSix EVOを売り払って、乗り換えてしまうかもしれません。

CAT EYE(キャットアイ)ライトの宿命

CAT EYEといえば、みんな知ってる自転車のライトを作っているメーカーです。
自転車のショップのライトのコーナーに並んでるので、ライトのついていないスポーツタイプの自転車を買ったときに、一緒にCAT EYEのライトを導入した人も結構いるかもしれません。

ハンドルに巻きつけるブラケットと、ライト本体を取り付けるアタッチメントの部分が殆どの種類で共通化されているので、新しいCAT EYEのライトを同じブラケットに取り付けたりすることができます。また、シチュエーションに合わせて街灯が少ない場所に行くときは強いルーメンのライトに変えたりといったことも容易です。

が、知っておいたほうがいいことがあります。
どの機種もなんですが、

HL-EL135

VOLT400

取り外しを何度もしていると半年から一年くらいで爪が割れます。どんなに大切に扱っても最期には爪が割れてしまうので、購入したときは覚悟しておきましょう。
爪が割れると、ブラケットに差し込んでも固定されないので、走行中にブレーキを踏むとライトがすっ飛んでいきます。

対応方法は、こんなのがあるそうです。

cycling.misoji-engineer.com